おにぎり福祉班

 

土曜日の訪問活動で出会う野宿生活者のなかには、病気に苦しむ方や高齢のために野宿生活がより困難になる方も少なくありません。
そういう方々とともに福祉事務所に行き、治療や生活についての相談のためのサポートをすることを、私たちは「福祉行動」と呼んでいます。

土曜日の訪問のときに福祉行動に参加を希望される方は、翌々日の月曜日(祝祭日に当たる場合は火曜日)の午前8時30分までに、
東京駅丸の内北口の交番の付近(びゅうプラザの看板下)に集合してもらい、最寄りの福祉事務所への付き添いをしています。

東京都では野宿者支援対策として、自立支援センターや緊急一時保護センターなどを開設していますが、
その事は当事者である野宿生活者の方々には、あまり知られていません。
そういう方たちに施設の趣旨や内容について説明し、希望される方が入所申し込みをされるときに福祉事務所まで同行するというのが、福祉行動の一つです。

路上で暮らす野宿生活に比べれば、雨露のしのげる屋根のついた施設に入れることは幸せなこと、
と私たちは単純に考えてしまいがちなのですが、一概にそうとは言い切れないことをこの福祉行動を通じて、私たちは学んできました。

たしかに路上での生活は、経験したことのない私たちには想像もつかないほど過酷です。

しかし考えてみれば、私たちにとっても〈幸せ=屋根〉ではありません。
何が幸せの条件となり得るのかは、人それぞれ一人ひとりが違うという、
そんな当たり前のことすら忘れてしまいそうになる私たちに、野宿生活者たちは教えてくれます。

「持たざる者」と言われる野宿生活者たちと、たくさんの物に囲まれて生活をしている私たちと、本当はどちらが「持たざる者」なのか、と。
毎週月曜日の福祉行動で出会う野宿生活者の方々に接することで、そんなことを考えさせられます。
たくさんの方々のおかげで福祉行動は続いています。
さまざまな形で応援してくださる皆さまに感謝しています。


 

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