おにぎり訪問班

 

訪問の様子1  訪問の様子2

訪問班は、作製班が作ったおにぎり、そして、編集班がつくった「おにぎり通信」を持って、
毎週土曜日の夕方から夜に、銀座・京橋・宝町、日比谷公園、東京駅で野宿する方々を訪問しています。

イグナチオ教会のパントリーで作製班が心を込めて握ったおにぎり、おにぎり通信をたずさえて、
先週は具合の悪かったあの人は元気になったかな……などと出会いに思いをめぐらせながら午後6時に教会を出発します。

物に溢れ、人々が楽しそうに行き交うきらびやかな街を歩くと、
その同じ空間に食べ物を求めて何時間も歩きつづけなければならない人々が大勢いる現実に驚かされます。

世の中にはさまざまな野宿者支援団体があります。
なかには大規模な炊き出しをおこなうことで、野宿者の日々の命を支えている団体もあります。

一方、私たちの訪問は週に1回、おにぎり1個を提供するにすぎない、ささやかな活動です。
おにぎり1個でおなかを満たすには充分ではないかもしれません。
それでも、私たちおにぎり仲間が大切にしているのは、「彼らのいるところまで出かけていく。」ことです。

彼らに会いたい、そばにいたい、話しをしたいから行くのです。ただそれだけの単純なことなのです。
毎週訪問するうちに顔見知りになり、自分の生い立ちなど話しづらいことも話してくれて、
信頼関係が少しづつ築かれてきたと感じることもあります。

現在、野宿生活を余儀なくされている方々も、つい最近まで家を持ち、家族とともに幸せに暮らしていた方も大勢います。
その生活が相次ぐ企業の倒産、リストラ、離婚などで崩壊し、野宿生活に至っているのです。

私たちは「野宿生活は自分とは関係ない」とつい思いがちです。しかし、この不安定な時代においては誰もがその可能性を持っているのです。
そのことをしっかりと認識し、野宿者と自分たちは、人として何も違いがないと本心から感じることができたとき、
本当の意味での信頼関係が生まれてくるのでしょう。
早くそうなりたいと思いつつ毎週の訪問活動を行っています。


 

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